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 ■第11回 山形県トレーナー大会の実施  平成24年12月8日(土) 山形テルサ

【第一部/基調講演】 
  <講 師>    
山本 利春 先生
            (国際武道大学体育学部スポーツトレーナー学科教授)

  <演 題>   「今後求められるトレーナーの理想」

【第二部/パネルディスカッション】 
  <テーマ> 「山形県のトレーナー活動における現状と課題」

  <パネラー> 
     ・ 山本 利春 先生     ・ 小野 弘志 先生 
     ・ 加藤  剛  先生     ・ 菊地  忍  先生
     ・ 菅原  健  先生     ・ 芦川  武志 先生 
  
  <コーディネーター>
     ・ 原田 扇人       (山形県トレーナー協会 副理事長)



【総評コラム】第11回山形県トレーナー大会を振り返って
一見空理空論のような表現だが、今回のシンポジウムに参加した
方々であれば納得されたのではないだろうか。トレーナーになるには、
解剖学や生理学、運動学など座学の他に実技を踏まえた現場実習を
積み経験を重ねて行くことが必須である。
しかし、それ以前にトレーナーは何を相手にするのかという大前提に
立った時、それだけでは本当のトレーナーとは言えないということを
改めて確認できた。キーワードは「人」。人が人を相手にする以上
「人」を理解しなければいけない。人と人が接する場合当然コミュニ
ケーションが介在する。信頼関係があってこそ、そこから初めて
その人の持つ実力、魅力が引き出される。


今大会は、国際武道大学より山本利春教授をお招きし、基調講演ならびにパネルディスカッションに参加していただいた。トレーナーの未来を考えるというテーマで、トレーナーの理想の形や山形県において現状と課題について語っていただいた。山本教授と言えば何よりもその人柄の素晴らしさ。トレーナーとしての実績はさることながら、何よりもやはり“人”としての魅力をお持ちである。来年度から立ち上がる日本アスレティックトレーニング学会の代表理事を任されたのも頷ける話だ。
さて、今回のテーマに沿った内容はどんなものであったのだろうか――。基調講演では山本教授に「今後求められるトレーナー像」と題し、トレーナーの歴史から始まり、トレーナーの実務定義をご講義いただいた。やはり現場ではトレーナーは必要不可欠な存在である。何よりも“トレーナースピリット”。国際武道大学在卒問わず、その学生には脈々と語り継がれてきたいわば同大学のバイブルであろう。トレーナーである前に人であれということ。至極当然のことであるが、勉強も大事!それがあって初めてその人がトレーナーとして活きてくるわけである。では今後トレーナーはどうあるべきかという点についてだが、これは万代不易。つまり原点と全く変わりはないのである。ただ、活躍する場所を新たに考えていく必要はあるようだ。事実近年では、選手以外を対象としてトレーナーが活躍する場を増やしている。基調講演に引き続き行われたパネルディスカッション「山形県のトレーナー活動における現状と課題」の中でも出た話であるが、スクールナースとして養護教諭が存在するようにスクールトレーナーがいてもいいのではないか――。トレーナー発祥の国アメリカでは、ある地域の高校数校が一人のトレーナーをシェアするシステムがある。多くのチーム、学校のクラブではトレーナーを雇う予算がとれないというのがほとんどであり、このシステムは今後十分に検討されていくべき提案であろうと私は考える。パネルディスカッションではその他に実際にスポーツの現場でご活躍されている5名のトレーナーの方々に意見を伺い、皆同じように医療の現場とスポーツの現場の間で様々な問題を抱えていた。今後克服すべき課題は山積みなのである。しかし、それを跳ね除け未来ある選手たちのサポートをトレーナーは続けていかなくてはならない。その根本にあるのは“人のために尽くす”精神。もちろんギャランティーがなければトレーナーで生計を立てていけないだろうし、発展もない。そのような問題も含め、これからトレーナーになろうとする人々を導いていくためにもまだまだ我々は先導者でなければいけないようだ。ただその前に、トレーナーになろうとする人々が「そうなりたい」と願う強い気持ちと勤勉さとそして“人“としての魅力が必要である。そうして培われた学力、精神力、人間力、(体力も?)は、大学・学校を卒業した後にトレーナーにならずとも活かせていけるのである。いや、トレーナーを目指して必死に取り組んだ学生こそどんな社会に出ても遜色はないはずだ。だからこの日本を変えていける原動力になれるのではないか――。
今大会の参加者は、対象をトレーナーおよびそれを目指す学生に絞ったため20数名という例年にない少人数であった。しかし、この地域における現時点では私はそれが自然だと感じている。いや、むしろまだ伸びしろがあるじゃないかと喜びたい。トレーナーを目指す学生よ、Welcome!

                                                大会実行委員長 原田扇人


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